==================================================== こえせん♪ボイスドラマ Act.4 【 ランナーズ・フール 】 ==================================================== << 設定 >>  高校生になる少年 :綾野ゆう(野村ゆう / ゆう君) 陸上部の少女、教師:綾瀬柚菜(瀬川ゆな / ゆなちゃん) (声のイメージは声優様にお任せ!) ▼台本ここから▼ ==================================================== ■少年 はっ……はっ……はっ……はっ……(ジョギング中) ……ふぅ。すー……はぁー……(深呼吸) はは。つい朝のジョギングでここまで走ってきちゃったな。 目の前に見えるのが、来週からオレが通う高校…… せっかくスポーツ推薦で合格できたんだから、部活頑張らないとな。 そして、このおれの運動神経をもってすれば 念願の彼女をゲットできる可能性だって、十分にありうる!! よっし! 想像してたら、なんかみなぎってきた! このまま学校の周りを一周してから帰るか! ……ん? あれ? 校門のところに誰かいるな。 今日は日曜日なのに……部活の朝練かな? ■少女 あ〜、緊張した〜。はぁ、やっぱりだめね。 部活の挨拶くらいでテンパっちゃって。 せっかく高校に入れたから、今までとは気持ちを切り替えて 頑張ろうと思ってたのに…… はぁ〜あ(ため息) ああ、いや! だめだめ! こんな弱気じゃだめ〜! ……あ〜、でも今の感じでうまくやっていけるのかな〜。 ■少年 な、なんかあの人、一人でモジモジして気持ち悪いな(汗) まぁいいか。気にしないで通り過ぎよう。 ■少女 うん! 一人でモジモジしててもしかたないよね! 気合入れて、がんばってこー! おー! よぉし! ダァ〜ッシュ!! (ゆうの方へ向かって走り出す) ■少年 ぅえっ!!? わわっ! ちょっと!! ■少女 ふぇ? う、うわあああ!! (どん!と二人がぶつかる) ■少年 いっ……つ〜。な、なんなのこの人。 いきなり目ぇつむって突進してきて…… ああ、すいません、大丈夫で…… ■少女 あ〜ん! いった〜い!!  ■少年 うっ!? す、すいません!! ■少女 え? ……あ! あわわわ! こ、こちらこそ、ごめんなさい!! お怪我はありませんか? ■少年 ええ、僕の方は……別、に……(途中から見とれている感じで) ■少女 私ドジで、いつも回りに迷惑掛けちゃって…… 本当に、ごめんなさい! ■少年(小声で) うぉおおお!! なにこの人! めっちゃ可愛ぇえ!! 背ぇちっちゃくて、目がくりくりで、ロングの黒髪もサラサラ!! 同じ高校……だよな、たぶん。な、何年生かなぁ!? ■少女 ど、どうしたんですか!? 急に後ろ向いてうずくまって! やっぱり、どこか痛めてしまったのでは……? ■少年 はっ! い、いえ! 大丈夫です! そちらこそ、お怪我はありませんでしたか? ■少女 大丈夫です。すいません、私がドジなばっかりに…… ■少年 いえ、そんな気にしないでください! ■少女 ありがとうございます。 ……あの、もしかして、ここの生徒さんですか? ■少年 え? ……はい。 まぁ正確には、来週からこの高校に通うんですが。 ■少女 それじゃ新入生ですか? 偶然! 私も来週からこの高校に通うことになってるんです! ■少年 そ、そうなんですか!? ■少女 はい! 入る部活も決まっているので、今日は少しだけ見学をかねて 挨拶をしに来てたんです。 ■少年(小声で) うぉおおお!! マジか〜〜〜!! こんな可愛い子が同じ高校、しかも同じ学年にいるなんて! 超ラッキー〜〜!!! ■少女 あの、またうずくまってますけど……本当に大丈夫ですか? ■少年 だ、大丈夫です! お気になさらず! ■少女 なら、いいんですけど…… あ! 申し遅れました、私の名前は「瀬川ゆな」と言います。 ■少年 あ、おれは「野村ゆう」って言います。 ■少女 じゃあ、同じ学校の新一年生だし…… 「ゆう君」って呼んでもいいのかな? ■少年 ゆ! ゆう君!? ……あ、あはは! なんかちょっと照れるな。 それじゃ、おれも「ゆなちゃん」……とか? ■少女 男の子から「ちゃん」付けで呼ばれるのなんて久しぶりだな〜。 いいよ、それでいこう! よろしくね、ゆう君! ■少年(小声で) うぉおおお!! ヤバイ! 下の名前はヤバイだろ!! ああ! すっげードキドキしてきた! 今からバラ色の高校生活が目に浮かぶぜ〜〜!! ■少女 今度は逆に上体そらしちゃってるけど! ■少年 はっ! た、ただのストレッチだよ、ストレッチ! ■少女 そっか、さっきまでランニングしてたもんね。 あ、そういえば、ゆう君はどこか入る予定の部活とかあるの? ■少年 一応、中学の頃から陸上やってたから そのまま高校でも、陸上部に入ろうかなと。 ■少女 陸上部!? すごい偶然! 私も陸上部なの! ■少年 おっしゃきたーーー!!!! ■少女 今度は上体そらしすぎて、ブリッジする勢いなんだけど!! ちょっと、腰痛めちゃうよ!? ■少年 いや、これは……ぐっ……よっと!(起き上がる感じで) 柔軟性には自信があるんだ! あははは! ■少女 す、すごいね……専門種目は何になるの? ■少年 おれは短距離全般やってるけど。 まぁ、100メートルと200メートルが専門になるのかな。 ■少女 ええ〜! ゆう君も短距離選手!? 私もなの! それじゃ、練習でもいつも一緒だね! ■少年 さらにきたーーー!!!! ■少女 もう完全にブリッジしてるし!! ■少年 こういうストレッチだから! ■少女 随分ハードなストレッチだね(汗) ■少年 はは! ……ぐっ……よっと!(また起き上がる感じで) でも、ゆなちゃんと一緒に部活ができたら、きっと楽しいだろうな。 ■少女 ふふ、そうね。私も今から楽しみかも! ……あ、もうこんな時間、そろそろ行かなきゃ。 ■少年 え!? ご、ごめん。時間、全く気にしてなかった! ■少女 ううん、いいの。私も話に夢中で時間忘れちゃってたし。 ■少年 そ、それじゃ、おれはもう少し走って帰るから。 ■少女 うん、気をつけて。今度は入学式で会いましょうね。 ■少年 ああ、それじゃ、また! ■少女 またね、ばいばーい! ■少年 ば、ばいばい! ……ふぅ〜〜(ため息のように) ……ふふ、ふふふ、ふははははは!! いよっしゃ〜〜〜!! なんて運命的な出会いなんだ!! ゆなちゃん、ゆなちゃん、あ〜、可愛い子だったな〜。 それに、おれのこと「ゆう君」だって…… これは! 彼女ができるのも、そう遠くはないかも…… よぉし! バラ色の高校生活に向かって! 頑張るぞ〜〜!! -------------------------------------------- (場面切り替え) ■少年(語り) あれから一週間、おれは毎日学校までランニングをしていたが 再びゆなちゃんに出会えることはなかった。 そして迎えた入学式当日…… 一通り式が終わり、教室に入ったおれは、同じクラスにも ゆなちゃんが見当たらず、少し頭がボーっとしていた。 はぁ〜。ゆなちゃん、どこのクラスなんだろう? でも、同じ部活に入ることは分かってるんだ。 ホームルームが終わったら、すぐグラウンドに行ってみよう。 ……お? やっと先生が来たみたいだな。 (ガラガラと戸が開く) (足音:カツ、カツ、カツ……) ■教師 みみ、皆さん! お、おはようごじゃいましゅ!! ■少年 え!? あ、あれ!!? ■教師 あわわ。い、今のなし! ……皆さん、おはようございます。(ちょっとゆっくりめに) わ、私は、えっと、皆さんと一緒で、今年からこの学校に入学…… じゃなくて、赴任するすることになりました、新米教師の「瀬川ゆな」です! これから一年間、皆さんと、楽しく、仲良く、過ごしていきたいと思いますので どうぞよろしくお願いいたしまちゅ! って、うわ〜! ちがう、ちがうの! 私、緊張しちゃって〜!! ■少年 ゆ、ゆなちゃん!? ■教師 え? あれ、ゆう君!? わ〜同じクラスだったんだね! 知り合いがいてよかった〜! ちょっと心細かったんだよ〜。 ■少年 いやいやいやいや! 同じクラスったって! ゆなちゃん、教師だったの!? ■教師 あれ? 言ってなかったっけ? 私、高校の教師として働くのは初めてだったから ゆう君と同じ新一年生だよ、って。 ■少年 そんな言い方してなかったよ! それに! その見た目で先生だなんて、誰も思わないって! ■教師 な、なによ? 私がそんなに子供に見えるとでも? あ、でもそれはそれで、若く見られてる分にはいいのかな? ■少年 せ、せっかく同い年の女子と仲良くなれたと思ってたのに! ……ん? じゃあ陸上部っていうのは…… ■教師 うん! 私、陸上部の顧問になるから、この前挨拶に行ってたの。 学生の頃はゆう君と同じ、短距離選手だったんだ。 ■少年 だと思ったよ! あ〜! おれの初めての彼女! おれのバラ色の高校生活が〜! この一週間、割と本気で浮かれてたのが恥ずかしい! ■教師 まぁ、あそこで騒いでるゆう君はひとまず置いといて。 とにかく、皆さん! これから一年間よろしくお願いします! 勉強も部活も、しっかり指導してあげるから、覚悟しててね? ■少年 くっそ〜〜!! こんなベタな展開、ありかよ〜〜〜!! -------------------------------------------- (↓BGMが終わってから。編集時の話です;) ■少年 う〜〜〜ん……(うなだれている感じで) ■教師 ゆう君、ほら、いつまでふてくされてるの? もうホームルームは終わったんだから、陸上部に挨拶行ってきなさい? ■少年 はっ! そうだ! ■教師 うわ! びっくりした! どうしたの、突然? ■少年 ゆなちゃんは高校生じゃないけど、こんなに若くて美人なんだ。 ……そうだ、そうだよ! 年なんて関係ないじゃないか! ■教師 なにぶつぶつ言ってるの? ほら早く立ちなさい。 ……まったく、しゃきっとしないところは「うちの旦那」そっくりね。 ■少年 やっぱりだめだった〜〜!! (小声で) ……いや待て! 不倫もありか? <END>