==================================================== こえせん♪ボイスドラマ Act.7 【 真夏の夜の企て 】 ※原作:篠村鳴 ==================================================== << 出演 >>  男子生徒:KIRA. (先輩) 女子生徒:ひと仔(小西) (声のイメージは声優様にお任せ!) ▼台本ここから▼ ==================================================== ■女子生徒 あ、せんぱ〜い! こっちこっち! ■男子生徒 おお、小西(こにし)。 ■女子生徒 すいません、急に呼び出しちゃって。 あの、迷惑じゃなかったですか? ■男子生徒 え? 迷惑だったよ? ■女子生徒 ええっ!? そこは嘘でも「そんなことねぇよ」とか 言ってくれると思ってたのに! ■男子生徒 一方的に「ここまで来い」ってまくしたてて 電話切っておいて……よくそんなことが言えるな。 ■女子生徒 あ、あれ? そうでしたっけ……あははは。 ■男子生徒 それで、その格好ってことは…… ■女子生徒 あ、これですか。これは……、あ、ちょっと! 全身を舐めまわすようにジロジロ見ないでください。(恥らう感じで) ■男子生徒 誤解を招く言い方をするんじゃねぇ! さらっと全身を見ただけだろ! てか、そんな気合の入った浴衣姿で来ておいて どうぞ意識してくださいって言ってるようなもんだろーが。 ■女子生徒 そ、そんなことないですよ! お出かけ用にちょこっとオシャレしてるだけで 女の子だったらこれくらい普通です! ……やっぱり先輩も「そういう目」で見てるんですね! ■男子生徒 やっぱりってなんだよ!? ■女子生徒 まあ、先輩もお年頃の健全な男子高校生ですから? 可愛い女の子を見ると、つい興奮しちゃうんですよね? 分かります!! ■男子生徒 さっきからおれを変態扱いするのはやめろ! それに、女のお前が分かったらそれはそれでマズイだろ! ……ていうか、そんな話はどうでもいいんだよ! ■女子生徒 おお。いつもの事ながら、先輩はキッチリつっこんでくれますね! 私的にはとてもボケ甲斐(がい)があって、良いと思います! ■男子生徒 おれ的には良くねぇんだよ! ……で、この話はもういいだろ! だいぶ遠回りしてるから話を戻すけど、結局これからどうするんだ? ■女子生徒 あ、はい! そうでした! 今日は地元の夏祭りなので 先輩を誘って花火大会を見に行きたいな〜……じゃなかった! いつもひとりぼっちで寂しく過ごしている先輩に 綺麗な花火でも見せて、すさんだ心を癒してあげようかな〜 なんて思ったんです! ということで、一緒に行ってあげてもいいですよ? ■男子生徒 なんでおれの方が誘ったことになってるんだよ! いい加減つっこみ疲れるわ!! はぁ……けど、せっかくここまで来たんだし、付き合うよ。 最近花火も見てないしな。 ■女子生徒 !? つつつ! 付き合うってそんなっ! 確かに学校では同じ部活で、いつもお世話になってるし…… 私も先輩のことは嫌いじゃない、ていうかむしろ好(す)…… こ、好感度は高いんですけど、やっぱり急に言われるとびっくり しちゃうっていうか…… ■男子生徒 おーい、さっさといくぞー。(遠くから呼ぶ感じで) ■女子生徒 私も心の準備が……って! あ〜ん、ちょっとぉ! 置いてかないでくださいよ〜!! -------------------------------------------- (花火会場に着く。でも突然の雨) (効果音など) ■男子生徒 あ〜、まさか雨が降って中止とは……。 天気予報じゃ、なんも言ってなかったのにな。 とりあえず、もう少しおさまるまでここで雨宿りだな。 ■女子生徒 そうですね……は〜、残念。(落ち込んだ感じで) ■男子生徒 なんだ、そんなに花火が見たかったのか? 一応、ひと通り屋台も回ったし、それなりに祭り気分は 満喫できたと思うぞ? ■女子生徒 ええ! そりゃあもう楽しかったですよ! 先輩と2人っきりでお祭りに行けるなんて…… 最高(さいっこ〜)に! 至福の時間でした! ■男子生徒 ず、随分と大げさだな(汗) ■女子生徒 でも、やっぱりメインの花火大会はちゃんと見たかったです。 それで……それで、私にはその後、一世一代の大イベントを遂行する予定が!! ……あったんですけど……それはまた来年に持ち越しかな……。 ■男子生徒 持ち越しって……そのイベントとやらは 花火がないとできないことなのか? ■女子生徒 いや、まぁ、特に花火自体に意味はないんですけど…… なんと言いますか……雰囲気? ■男子生徒 雰囲気ねぇ。……よし、小西、ちょっと待ってろ。 ■女子生徒 え? あ、あの先輩! どこ行く……って、行っちゃった……。 も〜ぉ! 幽霊が出たり、知らない人に襲われたりしたらどうするんですか〜! -------------------------------------------- (男子生徒が帰ってきて) ■男子生徒 ふ〜。多少は雨足が弱まったけど、まだやみそうにないな。 ■女子生徒 ちょっと先輩!! こんな か弱い乙女を1人残して、いったいどこ行ってたんですか!? 暑いし暗いし、色んな意味で身に危険を感じちゃったじゃないですか!! ■男子生徒 時期が時期なんだから、暑くて暗いのは仕方ねぇだろ(汗) てか、色んな意味ってなんだよ? ■女子生徒 いやらしい想像をしないでください! ■男子生徒 それは勝手な被害妄想だ!! ■女子生徒 まったく! それで? どこ行ってたんですか?(ちょっと怒り気味に) ■男子生徒 ああ……ほら、これ。 (ガサッとビニール袋を差し出す) ■女子生徒 こ、これって……? ■男子生徒 おう。さっき屋台で見かけたからな。 まぁ、もうほとんど残ってなくて、これしか買えなかったけど。 ■女子生徒 線香花火……。 ■男子生徒 派手さはないが、これだって立派な花火だ。 お前がやりたかったイベント、これじゃできないのか? ■女子生徒 え? あ、あの、それは……その……。 できると言えば……できます、けど…… ■男子生徒 それなら……ほら、火つけるぞ? ■女子生徒 えぇ!? あ、あのちょっと……!! -------------------------------------------- (線香花火を見ながら) (効果音など) ■男子生徒 どうした? イベントチャンスだぞ? ■女子生徒 そんな、急に言われても……正直、そのイベントのことも なんだか、うやむや〜って感じにしてもいいかなって…… ■男子生徒 ふむ。それじゃ、おれがイベントの代案を出してやろう。 ■女子生徒 代案? ……ですか? ■男子生徒 おう。この線香花火の「灯(あか)りの玉」が、先に落ちた方が 長くついていた方の言うことを、なんでも聞くっていうのはどうだ。 ■女子生徒 いや、私がやろうとしていたことと、だいぶズレてるんですが…… ていうか、今更ですけど、先輩は私がなにをしようとしていたか 知らないじゃないですか! ……あっ!! ■男子生徒 ほら急に動くから……お前の方が先に落ちたな。 おれの勝ち。それじゃ、言うぞ。 ■女子生徒 ええ!? そんな強引な! ああ、でも強引な先輩もいいかも…… じゃなくて! 私はまだなんの了承もしてないですよ!? ■男子生徒 まぁ聞け。たぶんお前のやりたかったイベントに近いことだから。 ■女子生徒 え? それって、どういう…… ■男子生徒 おれと付き合ってくれ。 ■女子生徒 ……え? ■男子生徒 ……どうなんだ? ■女子生徒 ふぇええ!? せせせ、先輩!? そんな、先輩から、こここ、こく、はく、だなんて!! ■男子生徒 この代案じゃ、だめだったか? ■女子生徒 だだだだ! だめっていうか、なんていうか…… なんでですか!? もしかして、全部、分かってたんですか!? ■男子生徒 そりゃあ、あれだけアピールされたら、さすがに気づくだろ(汗) それで? おれの言うことは聞いてくれるのか? ■女子生徒 う、うぅ……ぐす。せんぱ〜い!!(嬉泣) 私、私……ずっと先輩のことが、大好きでした〜!! わた、私と、付き合ってください〜〜!! ■男子生徒 ……おいおい(汗) 結局、お前のやりたかったイベントになってるじゃねーか。 <END>