==================================================== こえせん♪ボイスドラマ Act.5 【 やってみたが吉日 】 ==================================================== << 出演 >>  ゲーム好きな彼氏:御堂諦(アキラ君) クールな彼女  :霧風隼(チハヤさん) (声のイメージは声優様にお任せ!) ▼台本ここから▼ ==================================================== ■彼氏 ふっふっふ! ついに手に入ったぞ! 「マジカル少女プリティマミ」の新作アドベンチャーゲームが! 今日から彼女は友達と旅行に出かけてるから、数日は帰ってこない! そして、おれもゴールデンウィークで連休真っ只中! つまり! 誰の目も気にすることなく、たっぷりと趣味のゲームを 楽しむことができるってわけだ! ■彼女 あら? まるで彼女が一緒にいたら いつも自分の趣味が楽しめてないような言い草ね? ■彼氏 だってあいつ、おれがゲームし始めると 明らかに機嫌悪そうな顔してこっち見てくるんだもん。 そんなことされちゃ、楽しめるものも楽しめないっつーの。 ■彼女 それは、あなたがやってるゲームが全部、幼い女の子達に囲まれて イチャイチャしているだけの、いやらしい内容だからじゃないかしら? ■彼氏 いやらしいとは失礼な! あくまで目的は彼女達と愛を育んでいった先にある 感動のエンディングを見るためであって…… イチャイチャはその通過点に過ぎない!! ■彼女 言ってる意味がさっぱり分からないんだけど。 ■彼氏 だーかーらー! いつも言ってるだろ! 美少女アドベンチャーゲーム、通称ギャルゲーというのは 男の夢とロマンがつまった、今や日本の文化を象徴する 素晴らしいエンターテイメント…… ……て、あれ? チハ……ヤ? ■彼女 気づくまで随分時間がかかっかたわね。ただいま、アキラ君。 ■彼氏 どわ〜〜!! チ、チハヤ!? なな、なんでお前がここに!? 今朝、旅行に出かけたばっかりじゃ……!? ■彼女 帰ってきたら悪いの?(冷たい感じで) ■彼氏 うっ! そ、そんな、ことは……ない、けど(汗) ■彼女 はぁ……それがね、聞いてよ。 一緒に行く予定だった友達のお子さんが急に熱出しちゃったみたいで…… 今は旦那さんも出張で家にいないから、仕方なく今回はキャンセルするって。 私も一人で旅行いったってつまんないから、しぶしぶ帰ってきたってわけ。 ■彼氏 そ、そうか。残念……だったな。 ■彼女 いや、あなたの方がずっと残念そうな顔してるけど!? あ〜あ。せっかく同棲し始めたばかりの、かわい〜い彼女が 予定より早く帰ってきたっていうのに……嬉しくないの? ■彼氏 なっ!? そ、それは、全然! 残念がってなんかいないさ。 あはは……。いや〜、チハヤちゃん、よく帰ってきたね〜! う、嬉しいよ……うん、ほんと……(だんだん暗く) ■彼女 だんだん暗くなってんじゃないわよ! ……ったく、そんなに一人でゲームがやりたかったの? ■彼氏 だって、だってさ! いつもやらせてくれないじゃん! それに、せっかくのゴールデンウィークだよ? 連休だよ? 家に引きこもってゲームする絶好の機会だと思わない? ■彼女 1週間近い連休をずっと引きこもって過ごす気かおのれは! ■彼氏 ああ、その通りだよ! ■彼女 ……そんなにはっきり言われると、逆にすがすがしいわね(汗) よっぽど楽しみにしてたのね、そのゲーム。 ■彼氏 お、おうとも! なんたってこれは、去年社会現象にまでなったアニメ 「マジカル少女プリティマミ」の待望の初ゲーム化作品なんだぞ? 発売からわずか1ヶ月で50万本を売上げ、アドベンチャーゲームとしては 間違いなく今世紀最高の神ゲーって噂でネット上では大盛り上がりだ! ■彼女 ふーん。 ■彼氏 リアクションそれだけ!? ■彼女 なんだかんだ言っても、所詮はゲームでしょ?  そんなことするより、読書やスポーツに時間使ったほうがマシだと思うけど。 ■彼氏 なんだその先入観にとらわれたモノの言い方は!! お前だって、一度本当に良いゲームとめぐりあえたなら! 絶対に考え方が変わるはずだって! ■彼女 はいはいわかりましたもういいですぅ。……はぁ。 ま、私がいない間に、いかがわしいお店に行ったり、浮気する気も なかったみたいだし、それだけでも良しとしてあげるわ。 ■彼氏 おれは浮気できるほどイケメンじゃねぇよ! ■彼女 イケメンなら浮気していいのかよ!! ■彼氏 ……それに、おれはチハヤ一筋だから。 ■彼女 ふぇ!? ……い、いきなり、そんなこと言ってごまかしたってダメなんだからね! ……でも、そうね、私も今日は予定が狂って、あなたに構ってる気分でもないし? 今日くらいは、私に気を遣わずにゲームしてても……いいわよ? ■彼氏 え!? ほんと!? 横で嫌な顔してこない? ■彼女 し、しないわよ! 勝手にすれば? ■彼氏 よっしゃ! サンキュー! 心の底から愛してるよ、マイスイートハニー!! ■彼女 その適当な言い方は、妙に鼻につくわね…… ■彼氏 いやいや! 本心だって! あはは(汗) それじゃ、気を取り直して早速…… (プルルル、プルルル……電話がかかってくる) ■彼氏 ん? これからお楽しみってときに誰だよ……って、うげ! 職場から……なんか嫌な予感がするな〜。 ■彼女 ぐずぐずしてないで、はやく電話出なさいよ。 大事な用件かもしれないでしょ? ■彼氏 う〜、わかったよ。……はい、もしもし? ……あぁ、お疲れ様です。……はい……はい……え? 今からですか? ……いえ、その、行けなくはないんですが……え〜と…… ■彼女 こっちをチラチラ見られてもフォローできないって。 ……別に家に居たってゲームするだけなんだから、行ってきたら? ■彼氏 は!? 待ちに待ったゴールデンウィークなんだぞ! なにが悲しくて、こんな時に仕事なんか!! ……あ、いえ! こっちの話で……え? 特別手当(てあて)出すから? ■彼女 行ってきなさい! ■彼氏 うっ! ……はぁ(ため息) わかりました。……はい、大丈夫です。 今から行きますので……はい……はい……では、失礼します。 ……あ〜、マジっすか〜(汗) ■彼女 しかたないでしょ、仕事なんだから。 ……あ、晩御飯はどうする? ■彼氏 今の感じだと、たぶん遅くなるだろうから、適当に食べて帰ってくるよ。 ■彼女 そ、わかった。それじゃ私は出前でも取ろうかしらね〜。 ■彼氏 くっそ〜! せっかくゆっくりゲームできると思ってたのに! ……はぁ、それじゃ、いってきま〜す。 ■彼女 いってらっしゃい。気をつけてね。 ■彼氏 う〜い。 -------------------------------------------- (場面切り替え) ■彼女 ふう。結局、私が一人で留守番することになっちゃったか。 それにしても、アキラ君ったら、いつもゲームゲームって…… そんなにギャルゲーとやらが面白いのかしら? えっと、今日買ってきたのがこれか。ん〜、なになに…… 「大人気アニメ、マジカル少女プリティマミがついにゲーム化。  原作とは異なる新たな展開、そして衝撃と感動のフィナーレへ」 ……って、随分大げさなキャッチコピーね。 あ〜でもこのアニメ、前にアキラ君に見せられたことあったような…… 確か、最後は世界が滅びて終わり……とかじゃなかったっけ? ど〜も暗い感じに見えたけど、ゲームだと展開が違うってことは ハッピーエンドになってるってことかな? ……なんか考えてたらちょっと気になってきた。 ま、まぁ、確かに? アキラ君が言ってたように、何も知らずに 先入観だけで物事を判断しちゃだめよね。 うん、そうよ! 決して、私がギャルゲーに興味をもったからって訳じゃなくて たまに考えてることが分からなくなる、自分の彼氏のことを もう少し理解してあげるために、ちょっとプレイするだけなんだから。 そう、ちょっとだけなんだからね! ……あ〜、私も最近ひとりごと増えたかな? -------------------------------------------- (場面切り替え) ■彼氏 ただいま〜っと。 はぁ、だいぶ遅くなったけど、明日は確実に休みもらったからな。 これでようやく、気兼ねなくゲームに集中できる……ぐふふ! お〜い、チハヤちゃ〜ん、帰ったよ〜。あれ? 居ないの〜? ■彼女 うえ〜ん!!(泣) ■彼氏 えっ!? お、おれの部屋からか!? ……チハヤ!!  ■彼女 ううっ。ぐすん、ぐすん……(泣) ■彼氏 ちょちょちょちょ! ちょっと! どうしたの!?? なに泣いてんだよ!! ど、どこか痛めたのか!? ま、まさか、強盗に入られたとか……!? ■彼女 う……ううん、ちがうの……その……これ……(泣) ■彼氏 これ? ……あ! これ、プリティマミのゲーム!? ……え? どういうこと!? ■彼女 その、いつもアキラ君がやってるゲームってどんなのかなって 思って……ちょっとだけのつもりだったんだけど。 ■彼氏 ……なんか、エンドロールが流れちゃってるんですけど(汗) ■彼女 ぐす……やり始めたら、続きが気になって止まんなくて…… いつの間にか、最後まで……うぅ!(泣) ■彼氏 ま、まさか、全部? 結末まで見ちゃったの? ■彼女 うん……すごく、感動して、泣いちゃった。えへへ。 だって、最後はプリティマミと仲間達全員で…… ■彼氏 だーー!! 待て待て待て〜〜!!  おれまだやってないんだから! ネタバレすんなって!! ■彼女 ご、ごめん……。 ■彼氏 でも、お前がゲームやってるところなんて初めて見たな。 ……あ! もしかして、ゲームの最中おれを嫌な顔して 見てたのは、本当は自分もやりたかったから、とか? ■彼女 そ、そういうわけじゃない! ……けど。 今日やってみて、アキラ君がこういうゲームをやりたくなる気持ち すごくよく分かったの。……今まで、きついこと言っちゃって、ごめんね。 ■彼氏 チハヤ……。いや、いいってことよ! これからは二人で一緒にゲームやろうな! ■彼女 ……うん、ありがとう! それでね! プリティマミは最後に…… ■彼氏 わ〜〜!! それでも結末は言わないで〜〜〜!! -------------------------------------------- (↓BGMが終わってから。編集時の話です;) ■彼女 ねぇ、アキラ君? 他にも面白いゲーム持ってるんだよね? ■彼氏 え? まぁいくつかオススメはあるけど…… ■彼女 それじゃ、今からやろうよ! ■彼氏 いや、おれはこれからプリティマミを…… ■彼女 それは後からでもいいでしょ? まだまだ連休は長いんだから……ね? お・ね・が・い♪ ■彼氏 う、う〜ん。まぁ、お前がそこまで言うなら…… ■彼女 やった! ……どれどれ? あ、これなんか面白そうじゃない? お? こっちもなんか気になるな〜。う〜ん迷う〜! ねぇ、アキラ君の一番のオススメはどれなの? (編集でフェードアウト) ■彼氏(語り) ……こうして、おれのゴールデンウィークは チハヤの横でゲームを見ているだけで、終わった。 ……おれの連休を返せ〜〜!! <END>