==================================================== こえせん♪ボイスドラマ Act.2 【 バレンタイン・アクション 】 ==================================================== << 出演 >> 不良少年:赤月辰巳(たっちゃん) 妄想少女:雨月れん(レン) (声のイメージは声優様にお任せ!) ▼台本ここから▼ ==================================================== (カランカランと喫茶店に入ってくる) ■不良少年 おう、2人だ。空いてるか? ・・・なに? 満席だと? ふざけんな! 食い終わってくっちゃべってるやつらもいんだろうが! はやく席空けてこいや!! ■少女 ちょちょ! ちょっと! たっちゃん! あの、すいません、待ちます! 待ちますから! ■不良少年 ……お? あそこ空いたじゃねぇか。 おいレン。いくぞ。 ■少女 あ、ちょっと……! あ〜店員さん、ごめんなさい! ご迷惑はお掛けしませんから……あはは(汗) ■不良少年 おい、はやく注文取りにこいや!! ■少女 ……げ。あは、あはは(汗)す、すいません。 はぁ。たっちゃんと出かけるといつもこうなんだから。 影でフォローしてる私の身にもなってよね。 今日はせっかくのバレンタインデーなのに 雰囲気ぶち壊しじゃないのよ、もう。 -------------------------------------------------- (席について) ■不良少年 まったく! ここの店員はろくなのいねぇな。 ■少女 しっ! 余計なこと言わないの! あ〜、さっそく頭痛くなってきたわ。 ■不良少年 どうした、頭抱えて。熱でもあんのか? ■少女 え? ひゃ! ちょっと! いきなりおでこに手を置かないでよ! ■不良少年 ちょっと熱いな。……おいコラそこの店員。 ツレが熱あるみたいでよ、冷たいお絞り持ってきてくれ。 あと注文、チョコレートパフェふたつ。 ■少女 な、何をさらっと気を遣っちゃってんのよ! 不覚にもちょっとドキドキしちゃったじゃない! ……て、チョコレートパフェ? ■不良少年 おう。今日はお前に、この店のチョコレートパフェを 奢ってやろうと思ってよ。 ■少女 ……え? 今日私を呼び出したのは、これが目的? ■不良少年 ああ。なんでも、外国じゃバレンタインデーには 男から女にチョコレートを送るらしいじゃねぇか。 それが超クールに思えてよ。試しにお前で実践してやろうかな ……なんてな。 ■少女 うっ! なんてロマンチックなことを考えて実行しているの!? 不良のくせに、侮れないわね! ■不良少年 それに、この店のパフェはおれのお気に入りでな。 ケンカして疲れて帰ってきたら、たまにここで癒されるんだ。 ま、舎弟の連中には内緒だがな。 ■少女 はぅ! ケンカに明け暮れることが生きがいのように見えて 壮絶な戦いのあとは、ひとり癒しを求めていたなんて。 しかも、そのことを知っているのは幼馴染の女の子のみ! いい! いいわ!! ■不良少年 まぁ、幼馴染のお前には、毎年チョコ貰ってばっかりだしよ。 何かと迷惑かけてるから、たまにはいいかと思ってな。 ■少女 うっ! ここへ来て、幼馴染への普段からの感謝!? それをわざわざバレンタインデーに合わせてくるなんて…… やるじゃない!!  ■不良少年 なにさっきから独りごとつぶやいてんだよ。 ……もっとおれの目を見て、話してくれよ。 ■少女 ああ! 普段は目つきがめちゃくちゃ怖いのに 私と対峙しているときだけは、優しい笑顔を振りまいてくれる! こ、これは反則的だわ!! は、鼻血が……!! ■少年 ……(う〜ん。といった感じで呆れる) ■少女 ……(あはは〜。といった感じで昇天) ■少年 な、なあレン。ちょっといいか。 ■少女 ふぇ? なぁに、たっちゃん。 ■少年 げ、限界だ! もう勘弁してくれ!! ■少女 え? 何が? ■少年 いや、このシチュエーションだよ!! こんなへんてこな不良いねぇよ! おれも相当頑張ったけど、とうとう分かんなくなってきたよ! ■少女 そう? なかなか良かったわよ? ■少年 なぁ、いつものことなんだけどさ! こういうイベント的な日があるごとに、設定決めて 公衆の面前で芝居をうつっての、マジでやめにしねぇ? ■少女 え〜! あんたが将来役者になりたいっていうから こうやって特別メニューを考えてやってるんじゃない。 普段から何かと私が助けてあげてること、忘れたの? ■少年 たしかに、勉強のことでも、学校生活のことでも 何かと世話を焼いてくれてるのは本当に助かっている! おれの将来の夢についても、真剣に考えてくれている! ……けど! ■少女 けど? ■少年 その見返りがこれってのは、ちょっと…… ■少女 全部たっちゃんのためを思ってのことだよ? 芝居の練習だって、部活だけじゃ、全然足りないでしょ? ■少年 そういうことじゃなくて! お前の妄想癖が激しすぎるんだよ! ■少女 ごく普通のシチュエーションだと思うけど。 ■少年 どこがだよ! いちいち台詞がくさすぎんだよ! ■少女 まあまあ。いいじゃん別に。減るもんじゃなし。 あ、そんなこと言ってる間に、チョコレートパフェきたよ。 ■少年 ……ああ。あ! 店員さん、さっきはすいません! ほんと、ごめんなさい!! ■少女 そこで謝らないの! それは私の役目よ! いつも幼馴染の不良少年に迷惑を掛けられるも 好きだからこそ、影でフォローし続けている健気な少女。 少年はいしつかそのことに気づき、少女の為に更生していく。 ……ああ! なんてロマンチックな展開なのかしら!! ■少年 はぁ〜。(ため息) ……もういいや、せっかくだから、パフェ食べよ。 ……ん、んん!? これ、超うまいじゃん! ■少女 ふふ、どう? おいしいでしょ? 私もこの間友達と食べて、ビックリしちゃった。 ■少年 たしかに、これはうまい! ……あ、さてはチョコレートパフェを頼むくだりを いれたのは、お前がこれを食べたかったからだな? ■少女 まぁ、半分正解ね。 ■少年 半分? ■少女 私が、たっちゃんに食べさせたかったのよ。 ■少年 て言っても、結局おれが奢ることになるんだろ? ■少女 いいえ、今回はあたしのお・ご・り。 ■少年 珍しいこともあるもんだな。 ■少女 だって、これは私からたっちゃんへの バレンタインチョコレートなんだから。 ■少年 え? ■少女 今年も手作りしても良かったんだけど このお店のチョコパフェが、あまりに絶品だったからね。 どうせならおいしいほうが、たっちゃんも嬉しいでしょ? ■少年 ……そ、そうか。じゃあ、ありがたく頂いとくかな。 ■少女 ええ。ちゃんと味わって食べなさいよ。 ■少年 ああ、そうするよ。……でもさ。 おれは、いつも通りでも良かったんだぜ? ■少女 え? ……いつも通り? ■少年 お前の手作りチョコも捨てたもんじゃないってことさ。 ■少女 !? た、たっちゃん…… ■少年 来年は、また食わしてくれよな。 お前の絶品手作りチョコを……さ。 ■少女 ……ふ、あはは。あはははは。(控えめに) ■少年 ん? どうした? ■少女 あっはははは! たっちゃん! 今の「素」だったわね!! ■少年 え? ……はぁっ!! ■少女 さっきまで否定してたのに、なぁに!? やっぱり、たっちゃんもそういう台詞、好きなんじゃない!! ■少年 し、しまった! つい、レンの妄想癖に影響されてしまった! ■少女 いい加減に認めなさい。 自分はくさい台詞が大好きなんだってことを! ■少年 ち、ちがう! これは本当のおれじゃない!! ■少女 いいえ、これが本当のたっちゃん。あなたの中の真実よ! ■少年 真実……だと! くっ! そんな、ばかな! ■少女 ふふ。もう手遅れよ。 ここまで来たら、何を言ってもくさい台詞に聞こえてしまうわ。 ■少年 な、なにぃ!! ■少女 おとなしく、現実を受け止めなさい! ■少年 お、おれはお前の言いなりにはならない! たとえこれが、すべて仕組まれたことだったとしても!! ■少女 あん! いいわ! 萌える! その調子よ! もう私に乗せられていることにも気づいていないようね! ■少年 なんてことだ、お、おれとしたことが……! ■少女 はい! そこで息も切れ切れで虚ろな表情で一言! ■少年 はぁ、はぁ。レン、お前は、お前はいったい…… ■少女 いや〜ん!! その表情、台詞、どストライク! 胸キュンだわ! ああ、これだからたっちゃんとの掛け合いはやめられないのよね〜!! ■少年 ぐあ〜! もうやめてくれ〜〜!! -------------------------------------------------- (↓BGMが終わってから。編集時の話です;) ■少女 ふぅ。チョコレートパフェ、おいしかったね〜。 たっちゃんの演技力もますます向上してきてるし。 今日は有意義な一日だったわ〜。 ■少年 ……はぁ〜。(ため息) 次のイベントごとでは何を言われるか…… ■少女 それでも毎回私の言う通りに付き合ってくれるよね? もしかして、たっちゃんてば、幼馴染の私のこと 異性として見てくれてたりして…… ■少年 ……は!? な、なんだよ突然! 別に、いつも世話になってるから、その礼だよ! ■少女 あ〜ん、その恥らった表情も、萌えるわ〜!! ■少年 ……あ〜、はいはい。そうですか。 そりゃ、お前のことはずっと昔から…… ■少女 え? 何か言った? ■少年 な、なんでもねぇよ! <END>